企業哲学
ヘンケルは、サステナビリティーと企業の社会的責任(CSR)の分野における世界的なリーダーとして、多くの調査で高い評価を受け、数々の賞を獲得しています。 その背景としては、環境変化や諸問題など様々な課題を見据え、すでに数十年前から問題解決に取り組んでいるのです。
これを柱に、当社は研究開発、製造、使用という製品ライフサイクルの三つの段階を通して、常に自社のブランドと技術の最適化を推進しています。
水やエネルギーなど限りある資源の活用が、世界規模で課題になっています。当社はすでに125を超える国々で、その地域が直面する問題の解決に取り組んでいます。
私たちは社会に大きく貢献することを目的とし、その基礎を支えるのは「ブランドとテクノロジーを通じて、人々の暮らしをより便利に、より良く、より美しくする」というヘンケルのビジョンです。 私たちが考えるサステナビリティーと企業の社会的責任とは、人と環境に配慮すると同時に優れた事業で成果を挙げることです。
私たちの責任
私たちは、バリュー・チェーン全体にわたり責任を果たすことが最も重要だと考えています。 大切なのは、企業がどのように収益をあげ、またそれが社会的責任を果たす方法で行われたかどうかです。この基本姿勢は、ヘンケルにとって目新しいものではなく、1876年の創立以来受け継がれてきたDNAの一部なのです。
創業者フリッツ・ヘンケルの夢は、洗濯労力を軽減できる洗剤の生産でした。そして1907年、二人の息子であるフリッツ・ヘンケル・ジュニア、ヒューゴ・ヘンケルと共に、世界初の自動活性化洗剤Persilを発売し、この“洗濯革命”を成し遂げたのです。塩素を使わずに洗浄効果と漂白効果を発揮するPersilは、手で擦ることが不要なため生地の傷みが減り、また、一般家庭の衛生状態も改善されました。
これらは、ヘンケルが直接行った社会への貢献です。以来ヘンケル一族は、利益を追求する起業家であると同時に、環境と社会的責任を意識して行動し、雇用者としての義務を果たすよう経営陣を含め会社全体を常にリードしてきました。この伝統が、ヘンケルの際立った特長であり、競争力の高さであると私たちは考えています。
水
「水は、“21世紀の金”である。」 この言葉は、水資源の確保と維持に対する危惧が世界的に高まっていることを表しています。ヘンケルも長年、この問題に大きな関心を寄せ、すでに1958年には、ライン川とその支流で水質の体系的な分析と洗剤の有効成分レベルの調査を開始しました。1959年初めには、自社のすべての洗濯用洗剤と家庭用クリーナーについて、環境保護の視点に立った定期的な品質検査を導入しています。1986年の無リン洗剤Persil発売にも、私たちのイノベーションを求めるパイオニア精神が表れています。ヘンケルの研究者たちは、洗濯洗剤に含まれるリン酸塩が、流水表面に高栄養状態をつくることを発見しました。これは藻の大量繁殖を促進し、水中の生態系に深刻な被害を及ぼすかもしれないのです。この発見を受けて研究プログラムが開始された結果、リン酸塩の代替物の開発に成功しました。これは、洗剤の歴史の転換点にもなりました。ここで得た知識をもとに、高機能でより環境にやさしい洗濯洗剤の開発に取り組んできたのです。今日、蓄積された豊富なデータを見れば、ヘンケルのイノベーションがどれほど流水表面の水質保全に貢献してきたかがわかります。
またヘンケルはこれらのデータを国際的に活用し、欧州の表流水の汚染をシミュレーションするコンピュータ・プログラムに役立てています。
エネルギーと気候
新聞やテレビのニュースは、エネルギーの確保が将来大きな課題になると伝えています。この問題と密接に関連するのが、二酸化炭素(CO2)の排出と気候変動への脅威です。ヘンケルは、こうした問題と、製造コストやお客様が負担する電気代との関係を、常に意識してきました。家庭の消費エネルギー削減に大きく貢献したもののひとつに、1970年代からヘンケルが先駆として取り組んできた酵素の研究があります。実際、現代の洗濯用洗剤がぬるま湯で高機能を発揮するには、非常に効果の高い酵素が必要でした。以前は摂氏90度で洗濯を行うのが普通でしたが、Persilの登場によって、摂氏20度でも同等の洗浄効果で汚れやしみを落とせるようになったのです。より低温での洗濯が可能になったことで、洗濯機一台分の電気消費量は1970年と比較して半分にまで低減しました。これにより、ドイツ国内だけで二酸化炭素の排出量が150万メートルトンも削減されました。
原材料とパッケージ
世界的な人口増加と、原材料の価格高騰により、将来にわたって原料をいかに確保するかが大きな課題となっています。ヘンケルは創業当初より、責任を持って資源を扱ってきました。廃棄物の処理にも計画的に取り組んでいます。
私たちは、廃棄物に関しては“回避、削減、リサイクル”をモットーとしています。製品には一貫して、リサイクル可能な原材料由来の成分を使用しています。
例えば1920年代初頭、Persilのパッケージを閉じるのに欠かせない接着剤が不足した時、ヘンケルの研究者たちは迅速にでんぷんをベースにした新しい接着剤を開発し、1922年には社内で使用、翌1923年には外部へ販売し始めました。この85年前の緊急事態により、私たちは今や世界最大手の接着剤会社になりました。画期的な原料と、より効率的な開発を繰り返すことによって、ヘンケル製品は原料の節約を実現しています。一例としては、1970年代には一度の洗濯に洗剤280グラムが必要でしたが、現在ではPersil Megaperls 68グラム、すなわち以前の4分の1の量で済むようになりました。
社員、隣人、お客様
お客様はもとより、社員および事業所を置く地域コミュニティーの安全は、私たちにとって大切な約束のひとつです。
1927年、当社はドイツ国内の化学品メーカーとしては初めて労働安全の専門技術者を採用し、労働災害の予防と職場の安全衛生を組織的に推進しました。それ以来、私たちは絶えず職場の安全向上に努めています。 現在、労働災害発生率は、100万時間あたり1.7件のレベルにまで低減されています。
今日、そして明日のために
私たちの歴史は、今後の進むべき道を表しています。ヘンケルにとって品質と責任は絶えず結びついています。 たとえば、ヘンケルの接着剤は自動車の軽量化に貢献し、燃費向上と二酸化炭素の排出低減に役立っています。また、最新の洗剤やクリーニング製品は、低温でも優れた効果を発揮するため、家庭の消費エネルギーを節約します。これは私たちが提供する問題解決の一部ですが、こうしたイノベーションが本当に真価を発揮するためには、お客様一人ひとりが、より持続可能な製品を意識的に購入し、集団で責任を果たすことが大切です。 ヘンケルは、トップクラスの品質でお客様の信頼を受けています。 当社の製品は、徹底した安全テストが実施され、環境にも配慮しています。製造工程では、社員一人ひとりが責任を持ち、良い環境で水とエネルギーを効率的に活用しています。ヘンケルは一企業として、また世界の社員一人ひとりにおいても、何が持続可能な開発に必要なのか、よく理解しているのです。私たちはこうした必要に従って行動し、社会的な責任を果たします。 ヘンケルは、現在もこれからもサステナビリティを支持してまいります。- 今日、そして明日のために。